logo
|
Blog

    Tiro、SOC 2 Type 2監査を完了

    TiroはSOC 2 Type 2監査を完了し、5つのトラストサービス規準すべてについて無限定適正意見を受けました。Type 1とType 2の違い、そしてセキュリティ・可用性・処理の完全性・機密性・プライバシーが会議を記録するサービスにおいて何を意味するのかをご説明します。
    Tiro Team's avatar
    Tiro Team
    Jul 29, 2026
    Tiro、SOC 2 Type 2監査を完了
    Contents
    Type 1とType 2の違い5つの規準すべてを適用した理由1. セキュリティ(Security):システムが不正アクセスから保護されているか2. 可用性(Availability):合意した水準でサービスを利用できるか3. 処理の完全性(Processing Integrity):処理が完全かつ正確に行われているか4. 機密性(Confidentiality):機密情報が指定された範囲内でのみ取り扱われているか5. プライバシー(Privacy):個人情報が通知した内容どおりに取り扱われているか監査結果「証跡が残る」運用にするということ監査後も続く取り組みTiro Trust Center監査情報

    Tiroは、SOC 2 Type 2監査を完了しました。米国公認会計士協会(AICPA)の基準に基づき、米国の監査法人Sensiba LLPがTiroのセキュリティ統制を監査し、Tiroは5つのトラストサービス規準(Trust Services Criteria)すべてについて無限定適正意見を受けました。無限定適正意見(Unqualified Opinion)とは、監査人が確認した範囲において、対象となる統制が基準に照らして適切に設計・運用されていると判断したことを示す監査意見です。

    以前、ISO/IEC 27001:2022認証の取得をご案内した際、Tiroは認証を取得時点で完結する成果ではなく、継続的な改善のプロセスと捉えていることをお伝えしました。今回の監査は、その次の段階にあたります。

    前回のご案内では、Tiroがお客様のデータをどのように保護しているかをご説明しました。具体的には、音声は処理後すぐに破棄すること、お客様の会話をAIモデルの学習に使用しないこと、保存時と通信時の両方でデータを暗号化すること、最小権限の原則に基づいてアクセスを制限すること、そしてすべてのアクセスと変更を記録することです。

    これらは、Tiroが自ら説明してきた運用方法です。今回変わったのは、同じ内容をTiroではなく外部監査人が確認した点です。しかも、特定時点における統制の設計だけでなく、監査期間を通じて実際にそのとおり運用されていたかまで確認されました。

    セキュリティにおいて最も難しいのは、統制を設けることではなく、その統制が日々守られていることを証明することです。文書どおりに運用されている統制と、文書にだけ残っている統制の違いは、平常時には表面化せず、インシデントが発生したときに一気に現れることがあります。そのギャップを検証するのが、SOC 2 Type 2です。

    Type 1とType 2の違い

    SOC 2には2つのタイプがあります。

    Type 1は設計を評価します。 特定の時点を基準に、統制が適切に設計され、実際に存在しているかを評価します。アクセス権限に関する方針が整備されているか、デプロイの承認手順が定められているか、バックアップ体制が構築されているかなどを確認します。いわばスナップショットに近い評価です。

    Type 2は運用を評価します。 設計に加え、定められた監査期間を通じて統制が実際に機能していたかまで評価します。方針の有無だけではなく、その方針が数カ月にわたって毎回守られていたかを確認します。

    この違いは、検証方法にはっきりと表れます。監査人は方針文書を読むだけでは終わりません。監査期間中に実際に発生した事象からサンプルを抽出します。その期間に付与・削除されたアクセス権限、本番環境に反映されたコード変更、実施されたバックアップと復旧テスト、検知・対応されたセキュリティイベントを1件ずつ取り上げ、統制が定められたとおり機能していたかを照合します。サンプルのうち1件でも統制から外れていれば、その事実は例外事項として報告書に記載されます。

    発行されるものも異なります。Type 2監査で発行されるのは、1枚の証明書ではありません。各統制について、監査人が何をテストし、その結果がどうだったかを記載した監査報告書です。お客様のセキュリティ審査担当者は、報告書の内容を確認し、自社のセキュリティ要件と照らし合わせて評価できます。合否だけを知らされるのではなく、判断の根拠となる情報を受け取る仕組みです。

    この点は、ISO/IEC 27001とSOC 2が互いを置き換えるものではない理由でもあります。ISO 27001が、情報セキュリティマネジメントシステムという枠組みが国際規格に適合していることを認証するのに対し、SOC 2 Type 2は、その枠組みの中にある個々の統制が特定の期間にどのように機能したかを、証拠とともに記述します。一方は仕組みの適合性を、もう一方は運用の履歴を証明します。

    5つの規準すべてを適用した理由

    SOC 2では、5つのトラストサービス規準(Trust Services Criteria)のうち、監査の適用範囲を選択できます。必須なのはセキュリティのみで、残りの4つはサービスの性質に応じて選択します。多くの企業はセキュリティのみ、またはセキュリティに1~2つの規準を加えて監査を受けます。

    Tiroは5つすべてを適用しました。会議や会話を記録するサービスでは、どの規準もお客様が実際に抱く懸念に直結しているためです。 それぞれの規準が何を評価し、Tiroのようなサービスにとって何を意味するのかを順にご説明します。

    1. セキュリティ(Security):システムが不正アクセスから保護されているか

    ほかの4つの土台となる共通規準です。物理的・論理的なアクセス制御、変更管理、リスク評価、異常検知、インシデント対応、委託先管理まで、情報セキュリティの基本的な枠組み全体が含まれます。

    議事録には、組織の意思決定、お客様との会話、社内の議論、今後の計画が含まれます。1件の文書が漏えいする場合と、会議記録全体にアクセスできる状態になる場合とでは、被害の規模が異なります。そのためTiroにおけるセキュリティは、「お客様のデータに到達できる経路をどこまで減らせるか」という問題です。監査人は、各経路に統制が設けられていたか、そしてその統制が監査期間を通じて維持されていたかをテストしました。

    2. 可用性(Availability):合意した水準でサービスを利用できるか

    システムが合意された水準で稼働し、利用可能な状態にあるかを評価します。モニタリング、障害対応、バックアップと復旧テスト、キャパシティ管理などが該当します。

    AI議事録サービスにおける可用性は、ほかの多くのサービスとは少し性質が異なります。一般的なサービスでは、障害が解消すれば中断していた作業を再開できます。しかし、会議はもう一度開かれるわけではありません。その瞬間に記録されなければ、会話を後から復元する方法はありません。お客様がTiroを起動して会議を始めた瞬間、Tiroはその会議を取りこぼさない責任も担います。可用性を監査範囲に含めたのは、その責任を外部検証の対象とするためです。

    3. 処理の完全性(Processing Integrity):処理が完全かつ正確に行われているか

    システムによる処理が完全で、正確かつ適時に行われ、承認された範囲内で実施されているかを評価します。データが安全に保存されているかだけでなく、そのデータを扱う処理自体が適切に行われているかを見る規準です。

    議事録は、作成された瞬間よりも後になって頻繁に使われます。数週間後に意思決定の根拠として引用されたり、会議に参加しなかった人に唯一の記録として共有されたりします。そのとき、元の会話と異なる内容が含まれていれば、それは便利な機能の誤りにとどまらず、信頼に関わる問題です。AI議事録サービスでは、結果の正確性はセキュリティと同じくらい重要な信頼の条件です。処理の完全性を監査範囲に含めたのは、こうした考えに基づくものです。

    4. 機密性(Confidentiality):機密情報が指定された範囲内でのみ取り扱われているか

    機密として指定された情報が定められた範囲内でのみアクセスされ、保存期間が終了した後に安全に破棄されるかを評価します。個人情報に該当するかどうかにかかわらず、「限られた範囲でのみ取り扱うべき」と指定されたすべての情報が対象です。

    会議で扱われる内容の多くは、個人情報ではなくても機密情報です。未公開の計画、進行中の契約条件、組織内部の議論などが該当します。こうした情報は、外部への漏えいだけでなく、社内で意図した範囲より広く共有されるだけでも問題になります。そのため機密性の規準では、ノートの共有範囲が設定どおりに守られているか、権限が取り消されたときにアクセスも停止されるか、サブプロセッサーへ提供する範囲が契約によって制限されているか、保存期間を過ぎたデータが実際に破棄されるかを確認します。

    5. プライバシー(Privacy):個人情報が通知した内容どおりに取り扱われているか

    個人情報の収集、利用、保存、提供、破棄が、通知した内容と一致して行われているかを評価します。5つの規準のうち、唯一、独立したプライバシー原則にも従う規準です。

    AI議事録サービスで扱う個人情報は、アカウント情報だけにとどまりません。参加者の氏名、音声、発言内容そのものが個人情報に該当する場合があり、Tiroと直接契約していない外部参加者の情報も含まれます。機密性が「誰が閲覧できるか」を問うのに対し、プライバシーは「何のために収集したのか、通知した目的を超えて使用していないか、請求があった際に開示や削除が実際に行われるか」を確認します。お客様の会話をAIモデルの学習に使用しないという方針も、この規準のもとで監査人による確認の対象となりました。

    監査結果

    監査報告書には、5つの規準すべてがTiroのシステムに適用され、除外された規準がないことが明記されています。Tiroは、統制の設計だけでなく、監査期間を通じた運用の有効性についても無限定適正意見(Unqualified Opinion)を受けました。また、監査期間の終了時点を基準として、直近12カ月間にサービスで重大なセキュリティインシデントが発生していないことも報告書に記載されています。

    「証跡が残る」運用にするということ

    監査を通過するには、統制が存在するだけでは不十分です。その統制が機能したことを示す記録も残っていなければなりません。Tiroが監査への対応を、文書を整える作業ではなく、運用そのものを証跡が残る形に設計し直す取り組みとして進めたのはそのためです。

    1. 本番環境と開発環境をアカウント単位で分離しました。 開発環境からお客様のデータにアクセスすることはできず、アカウント間の境界は組織レベルのポリシーによって強制されます。これにより、チームはお客様のデータから完全に分離された環境で自由に検証できます。

    2. すべてのアカウントの監査ログを、独立した1つのセキュリティアカウントに集約しています。 ログは暗号化して保存し、改ざんの有無を検証できます。ログを生成する側と保存する側の権限を分離することで、インシデント発生時にログが削除されないようにしています。

    3. 本番環境に反映するコードには必ず承認が必要です。 メインブランチへ直接反映する経路を遮断し、承認のないマージはプラットフォームが技術的に防ぎます。どのコードを誰がレビューする必要があるかも、リポジトリごとに指定されています。

    4. インフラの大部分をコードで管理しています。 Tiroのサービス全体を支えるインフラの約80%をInfrastructure as Code(IaC)で定義しているため、すべての変更がコードレビューを経て履歴として残ります。同じ構成をいつでも再現できること自体が、運用が統制されている証拠になります。

    5. 継続的な検知とデバイス管理を併用しています。 クラウド環境では、脅威検知、脆弱性スキャン、Webアプリケーションファイアウォールが24時間稼働しています。また、従業員が使用する業務用デバイスとアカウントは、統一された認証基盤と管理ツールによって管理されています。

    これらの統制の状態は、コンプライアンスプラットフォームを通じて常時確認されています。設定が基準から外れた場合、監査期間中でなくてもすぐに把握できます。

    監査後も続く取り組み

    SOC 2 Type 2は、過去の監査期間に対する評価です。次の期間における信頼は、次の期間の運用記録によってのみ証明できます。

    Tiroは、外部のセキュリティ専門企業であるTheoriおよびKAOS Labsと契約し、定期的に侵入テストを実施しています。表面的な点検ではなく、ソースコードとインフラ構成まで確認できる条件で行い、発見された脆弱性には対応したうえで再テストを実施します。また、CIS Controls v8.1、NIST AI RMF、NIST CSFに対する統制のマッピングも完了し、1つの情報セキュリティマネジメントシステム上で複数のフレームワークを運用しています。

    セキュリティを取り巻く環境は変化し続けています。近年のさまざまな事例からも分かるとおり、AIモデルの性能が急速に向上する一方で、セキュリティ上の脅威もより高度になっています。Tiroはこうした変化に合わせて、サービスのインフラと運用体制を継続的に見直しています。

    Tiro Trust Center

    Tiroは、Tiro Trust Centerを通じて、取得した認証、準拠しているフレームワーク、サブプロセッサーの一覧を公開しています。SOC 2監査報告書の全文には、監査人が各統制について実施したテスト手順とその結果が記載されています。秘密保持契約の締結後、Trust Centerの申請手続きを通じてご提供しています。

    セキュリティ審査やベンダー審査を実施されている場合は、Trust Centerから必要な資料をご請求いただくか、partners@theplato.ioまでお問い合わせください。

    監査情報

    項目 内容
    監査基準 SOC 2 Type 2(AICPA、TSP section 100・2017 Trust Services Criteria)
    適用範囲 セキュリティ、可用性、処理の完全性、機密性、プライバシー(5つの規準すべて)
    監査対象 ThePlato Inc. Software as a Service System(Tiro)
    監査期間 2026年4月1日~2026年6月30日
    監査法人 Sensiba LLP
    監査意見 無限定適正意見(Unqualified Opinion)

    監査報告書の全文は、秘密保持契約の締結後、Tiro Trust Centerからご請求いただけます。

    今後も、お客様が安心して会議を記録し、活用できるよう、セキュリティリスクを継続的に点検し、より安全なサービス環境を整えてまいります。

    Share article
    Contents
    Type 1とType 2の違い5つの規準すべてを適用した理由1. セキュリティ(Security):システムが不正アクセスから保護されているか2. 可用性(Availability):合意した水準でサービスを利用できるか3. 処理の完全性(Processing Integrity):処理が完全かつ正確に行われているか4. 機密性(Confidentiality):機密情報が指定された範囲内でのみ取り扱われているか5. プライバシー(Privacy):個人情報が通知した内容どおりに取り扱われているか監査結果「証跡が残る」運用にするということ監査後も続く取り組みTiro Trust Center監査情報

    ティロブログ

    RSS·Powered by Inblog