マーケターのAI活用術:Tiro(ティロ)チームが実践する4つのツール活用法

Claude、Comet、Gemini、Tiroを組み合わせて業務効率を劇的改善。繰り返し作業の効率化から会議の自動文書化まで、具体的なユースケースとともに解説します。
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Dec 16, 2025
マーケターのAI活用術:Tiro(ティロ)チームが実践する4つのツール活用法

AIツールは「使い方」で差がつく時代へ

ChatGPTの登場以降、AIツールは急速に私たちの仕事に浸透してきました。しかし、多くのビジネスパーソンが「AIツールを導入したものの、思ったほど効率化できていない」と感じているのではないでしょうか。

その原因の多くは、ツールそのものではなく「活用方法」にあります。同じツールを使っていても、設定や使い方次第で生産性は大きく変わります。重要なのは、各ツールの特性を理解し、自分の業務フローに最適化することです。

本記事では、AI文字起こし・要約サービス「Tiro」のマーケティングチームが日常的に実践しているAIツールの活用法をご紹介します。コーディング支援からデザイン、情報収集まで、具体的なユースケースとともに解説していきますので、ぜひ自社の業務改善にお役立てください。


1. Claude:プロジェクト機能で「繰り返し作業」を効率化する

なぜClaudeなのか

Tiroでは、コーディング・文書作成・デザイン・翻訳など、幅広い業務にClaudeを活用しています。数あるLLM(大規模言語モデル)の中からClaudeを選んでいる最大の理由は、「プロジェクト機能」の存在です。

一般的なAIチャットツールでは、毎回のやり取りで背景情報やルールを説明し直す必要があります。例えば「〇〇のトーンで書いて」「△△のフォーマットに従って」といった指示を、作業のたびに入力するのは非効率です。Claudeのプロジェクト機能を使えば、こうした前提条件をあらかじめ設定しておくことで、この無駄を省くことができます。

具体的な活用例:SQLの自動生成

Tiroでは、サービスの各種指標を呼び出すSQLクエリを作成するプロジェクトを構築しています。このプロジェクトには、データベースの構造、既存のダッシュボード情報、クエリの記述ルールなどを事前に登録してあります。

この設定により、「先月のアクティブユーザー数を出して」と一言伝えるだけで、Tiroのデータ構造を考慮した正確なクエリが即座に生成されます。従来であれば、データベース構造を確認し、適切なテーブルを選び、クエリを書き、動作確認をするという一連の作業に数十分を要していました。それが今では数秒で完了します。

導入のポイント

プロジェクト機能を効果的に活用するコツは、「繰り返し発生する作業」を洗い出すことです。週に何度も行う作業、毎回同じ説明をしている作業があれば、それはプロジェクト化の候補となります。最初の設定には多少の時間がかかりますが、その投資は確実に回収できるでしょう。


2. Comet:ブラウザAIで情報収集を自動化する

ブラウザAIという新しいカテゴリ

CometはPerplexityが開発したAI搭載ブラウザです。従来のAIアシスタントが「質問に答える」ことに特化していたのに対し、Cometは「ユーザーに代わってブラウザを操作する」という新しいアプローチを採用しています。

ショートカットキーを設定することで、AIが自動的にウェブサイトを巡回し、情報を収集・整理してくれます。これは単なる検索の効率化ではなく、「情報収集」という作業そのものの自動化を意味します。

具体的な活用例:SNSトレンドの自動収集

マーケターにとって、業界の最新動向を把握することは欠かせない業務です。しかし、複数のSNSやニュースサイトを毎日チェックするのは時間がかかります。

Tiroでは、「X(旧Twitter)で直近7日間のAI関連アップデートを検索し、内容を整理する」というショートカットを設定しています。Enterキーを2回押すだけで、Cometが自動的にXを開き、関連投稿を収集し、要点をまとめてくれます。初期設定さえ済ませておけば、特定プラットフォームの特定期間における情報収集が数分で完了するのです。

今後の展望

個人的な見解ですが、AIアシスタント市場において「ブラウザAI」は今後大きな役割を果たすと考えています。現在のLLMは「知識を持っている」ことに価値がありますが、ブラウザAIは「ユーザーの代わりに行動できる」という点で一歩先を行っています。情報収集に多くの時間を費やしているマーケターの方には、ぜひ一度試していただきたいツールです。


3. Gemini:画像生成でデザイン業務を加速させる

画像生成AIの実用性が向上

Googleが提供するGeminiの画像生成機能は、最近のアップデートで実用性が大きく向上しました。以前の画像生成AIは「面白い画像は作れるが、業務には使えない」という印象を持っていた方も多いのではないでしょうか。しかし、最新のGeminiは、ビジネスシーンでも十分に活用できるクオリティに達しています。

具体的な活用例:ブランドアセットの作成

TiroではUI/UXデザインの検討段階だけでなく、SNS用のビジュアル素材やイベント用のグッズデザインにもGeminiを活用しています。

例えば、季節に合わせたプロモーション用に「Tiroのアイコンキャラクターに冬服を着せたイラスト」を作成しました。プロンプトを入力すると、Geminiはロゴの形状を正確に認識し、ブランドイメージを損なわない範囲で創造的なビジュアルを生成してくれました。

活用のコツ

画像生成AIをビジネスで活用する際のポイントは、「最終成果物」ではなく「叩き台」として使うことです。デザイナーに依頼する前にAIで複数のアイデアを生成し、方向性を固めてから正式な制作に入ることで、コミュニケーションコストを大幅に削減できます。また、社内資料やプレゼンテーション用のビジュアルなど、高い完成度を求められない用途であれば、AI生成画像をそのまま使用することも可能です。


4. Tiro:会議の文字起こしから文書化までを一気通貫で

自社サービスの「一番のヘビーユーザー」として

少し宣伝のようになってしまいますが、Tiroの最もヘビーなユーザーは私たちTiroチーム自身です。自社サービスを日常的に使い込むことで、改善点を発見し、より良いプロダクトへと進化させています。

マーケターの仕事には、終わりのない会議がつきものです。企画会議、進捗報告、クライアントとの打ち合わせ、チーム内のブレインストーミング。これらの会議で交わされる膨大な情報を整理し、関係者に共有し、後から参照できる形で保存する。この「会議後の作業」に多くの時間を取られているマーケターは少なくないはずです。

Tiroが解決する課題

Tiroを起動した状態で会議に参加するだけで、リアルタイムでの文字起こし、要約の自動生成、議事録形式での文書化までが完了します。会議中にメモを取る必要がなくなるため、議論に集中できるようになります。また、発言内容が即座にテキスト化されるため、「今の発言をもう一度確認したい」という場面でも、画面をスクロールするだけで済みます。

Ask Tiro:会議内容を学習したチャットボット

Tiroの特徴的な機能の一つが「Ask Tiro」です。これは、文字起こしされた会議内容を学習し、その内容に関する質問に答えてくれるチャットボット機能です。

「先週の会議で決まった納期はいつだったか」「クライアントが懸念していたポイントは何だったか」といった質問に対して、該当する発言を引用しながら回答してくれます。複数の会議にまたがる情報を横断的に検索することも可能なため、プロジェクトの経緯を振り返る際に非常に重宝しています。


まとめ:AIツールは「組み合わせ」で真価を発揮する

本記事では、Tiroマーケティングチームが実践する4つのAIツール活用法をご紹介しました。

  • Claude:プロジェクト機能で繰り返し作業を効率化

  • Comet:ブラウザAIで情報収集を自動化

  • Gemini:画像生成でデザインワークフローを加速

  • Tiro:会議の文字起こしから文書化までを自動化

重要なのは、これらのツールを単体で使うのではなく、業務フロー全体の中で適切に組み合わせることです。情報収集はCometで、分析や文書作成はClaudeで、ビジュアル制作はGeminiで、会議の記録はTiroで。それぞれのツールが得意とする領域を理解し、使い分けることで、業務効率は飛躍的に向上します。

AIツールの進化は日進月歩です。新しいツールや機能が次々と登場する中で、すべてをキャッチアップすることは困難です。しかし、自分の業務に関連する領域については、積極的に新しいツールを試し、効果を検証していく姿勢が求められます。本記事が、皆様のAI活用の一助となれば幸いです。

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